クラリネットで吹いてみた♩【君をのせて】演奏解説
クラリネットで吹いてみた♩
君をのせて〜クラリネットでジブリ〜
スタジオジブリの名作『天空の城ラピュタ』の主題歌「君をのせて」は、多くの人に愛される楽曲です。その優しいメロディと感動的な雰囲気は、クラリネットの柔らかく温かみのある音色にぴったりです。
君をのせてを歌われている井上あずみさんとも、一緒に演奏させていただいたご縁があります!
この記事では、演奏のポイントやアレンジ、あずみさんとのご縁などについてお話しします。
楽曲解説
「君をのせて」は、スタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』(1986年公開)の主題歌として作られた楽曲です。作詞を手掛けた宮崎駿監督、作曲を担当した久石譲氏のコンビが生み出したこの曲は、日本のアニメ音楽の中でも特に有名で、長年にわたり愛され続けています。
君をのせてを歌っているのは、井上あずみさんです。
あずみさんの透明感のある声は、ジブリ作品の持つファンタジー性や温かさを見事に引き立てており、君をのせての感動的な世界観をより深く表現しています。
歌詞のテーマと背景
「君をのせて」は、映画の主人公であるパズーとシータがラピュタという伝説の空中都市を目指して冒険するストーリーのテーマソングです。歌詞には、彼らが抱く希望、絆、そして失われた過去への思いが込められています。特に、「あの地平線 輝くのは どこかに君を隠しているから」という冒頭のフレーズは、シータを象徴する美しいメロディとともに、多くの人の心を引きつけます。
宮崎駿監督の思い
宮崎監督はこの曲を作る際、過度に感傷的にならないことを意識しながらも、ストーリーの中核にある「純粋な心」と「未来への希望」を音楽に投影したかったとされています。歌詞には直接的な物語描写は少なく、抽象的で普遍的なメッセージが込められています。これが映画を観ていない人にも共感を呼ぶ要因となっています。
金曜ロードショーがあるとXがバルス祭りになりますよねw
私ももれなく参加しています♩大好きな映画!
楽譜の紹介
この演奏動画の楽譜は、ロケットミュージックから発売されています。
君をのせて(映画「天空の城ラピュタ」主題歌)
【クラリネット】ピアノ伴奏譜&カラオケCD付
商品番号:SOL2010
グレード:3
演奏時間:3分10秒
出版社:ロケットミュージック
編曲:若林愛
演奏のポイント
メロディラインの歌い方
「君をのせて」の魅力は、美しいメロディにあります。各フレーズの終わりにしっかりと余韻が残るように意識して演奏しました。ブレスも取りますが、音と音の間に「歌う」意識を持つことが重要です。
静かな場所と盛り上がる場所の息使いをどうするか、先にロードマップを決めておくと良いですね。
スロート音域
フレーズの最初からソ〜シ♭のスロート音域を多用します。この音域は音程が高くなったり音色が細くなりやすいので補助の指を使って吹いていくことで改善を目指せます。
基本の補助指は1。ここはスロート音域を演奏するときはつけたままが良いと思います。楽器を持つ手も安定しますし、レジスター・キィを押す上の音域にも移行しやすくなります。
2〜4の補助指はその人の楽器によって良い音が鳴るポイントが異なります。上記だけでなく、いろいろなパターンを試せると思いますのでぜひ試してみてくださいね!
ダイナミクス
この楽曲は、ピアノからフォルテッシモまで幅広いダイナミクスが映える作品です。特にサビ部分では、盛り上がりを意識して演奏していきましょう。クレッシェンドやディミヌエンドを丁寧に表現することで曲のドラマ性を強調できます。
息をたくさん吹き込んだときに、楽譜のリハーサルマークFからの高音域(アルティッシモ音域)は音程が低くなりやすいのと、ミ♭とファの運指をスムーズにするために→の箇所の指を足すと安定します。
アレンジの工夫
原曲に忠実に、装飾をつけすぎずシンプルに美しく演奏できるアレンジを意識しました。
もともとソロ譜として作っていたのですが、後半の盛り上がる部分から二重奏で演奏出来るように書かせていただきました。(ソロのままでも演奏できます)
クラリネットはハモると本当に綺麗ですよね♩
リハーサルマークFの間奏部ですが、1stのメロディはピアノも弾いていますので、演奏体力によってはお休みしても良いですし、一人で吹く際は2ndのアドリブソロを演奏していただくことをお勧めします。
君をのせての歌手「井上あずみ」さんと
あずみさんとの出会いはもう15年以上前になります。当時クラリネット四重奏でとなりのトトロをイベントで演奏していたところ、同イベントでメインで歌っておられて演奏も聴いてくださっていたあずみさんが、「クラリネットの音色とすごく合うからどんどんジブリを演奏した方が良いわよ!」とアドバイスしてくださったんです。
それを機にジブリ曲を編曲してたくさん演奏してレパートリーを増やしていって。レコード会社でもちょうどジブリアルバムの企画が上がっていたこともあり、私のキングレコードからのデビューアルバムは【カラフルジブリ】というタイトルで全曲ジブリ作品のアルバムをリリースすることになりました。振り返るとあずみさんのひとことがあったからこそ、実現したアルバムだったなぁと思います。
その後も自由が丘のイベントや八丈島でのライブでもご一緒させていただき、たくさん勉強させていただきました。あずみさんの娘であるゆーゆちゃんの、NHKみんなのうた「6才のバラード」ではNHKから販売された楽譜で、浄書を担当させていただきました。
お二人とも、これからもずっと憧れであり尊敬する存在です。
まとめ
「君をのせて」は、クラリネットの温かな音色を存分に引き出せる楽曲です。
短調の曲調も個人的にクラリネットにすごく合うと思っています。音色や表現の工夫、曲に込めた思いを込めて、ぜひ皆さんも演奏して楽しんでくださいね。
動画をご覧いただき、ぜひ感想や練習の成果をお聞かせください♩
楽譜の購入はこちらから→君をのせて – クラリネット
次回も素敵な曲をお届けしますので、お楽しみに!