クラリネット吹きなら絶対にやるべき基礎練習5選
クラリネットを上達させる上で欠かせない基礎練習のキホンのキを解説します。正しい練習方法を取り入れ、選択していくことで効率良く着実に成長していくことが重要です。
楽器の準備(セッティング)と姿勢
基礎練習は演奏の実践だけじゃないんです!ここをスルーするとうまく音が出にくかったりして後で大変なことになりますよ…!!
楽器の正しい組み立て
楽器を組み立てるとき、上管と下管の接続ではレバー同士が当たらないように細心の注意を払う必要がありますので楽器の持ち方にも気を付けましょう。
また、ジョイントのコルクが傷まないようにマメにコルクグリスを塗ったり、組み立てる時は押し込まずに回しながら接続してください。
マウスピース周りのセッティング
マウスピースにリードを付けるときにリードが真っ直ぐ付けられているか。リード、リガチャーの位置は上過ぎたり下過ぎたりしていないかよく確認しましょう。
写真付きで載せています↓
姿勢を整える
身体を効率よく使うために猫背になっていないか気を付けましょう。良い姿勢を取るだけで息が吸いやすくなりますので、それだけで音が大きくなる人もいるくらい重要です。
アンブシュアを整える
アンブシュアとは楽器を吹く時の口の形や口の中の状態のことを言います。鏡を見ながら以下の手順でアンブシュアを整えてみましょう。
- 下唇を下の歯に巻きこむ:リードに直接歯が当たらないように下唇を軽く下の歯に巻きます。そのとき、唇の端を左右に軽く引いておきます。(口角を上げて微笑むようなイメージです)
- 巻いた下唇の上にマウスピースを乗せます。上の前歯はマウスピースに直接当ててしっかりと固定します。
- 上唇は左右に軽く引きながら口を閉じます。
呼吸と息のコントロール
楽器演奏で大切なのは腹式呼吸です。慣れるまでは腹式呼吸をする練習やブレストレーニングも息をコントロールする上でとても良い練習になります。
ロングトーン
ロングトーン練習とは、音を長く伸ばす練習のことです。
音色や音程、息のコントロールを向上させますし、ウォーミングアップにも最適です!口の筋トレにもなりますよ!
ロングトーンにはいくつか練習パターンがあります。その中でも最重要なのが、
レジスター・キィの練習
運指を変えずに、低音から高音へレジスター・キィだけを使って滑らかに上がるロングトーン。
アンブシュアを変えないように気を付けて行うことで全音域を均一に練習できます。必ずやりたいロングトーン練習です。
私は本番の日、どんなに時間が無くてもレジスター・キィのロングトーンをしておけば自分が整ってすぐにステージに上がれます!
ダイナミクスの練習
ダイナミクスとは、音量の強弱のことです。
音量を変えた時にアンブシュアが緩むまたは締めつけすぎていないかなど気を配ることも大切ですし、音量変化による音色・音程の変化にも気をつける必要があります。
音量0からのスタートでだんだん大きくしていき、音量0(消えるように小さく)に戻る練習などもやってみてくださいね。
タンギングの練習
タンギングとは舌を使って音を切ったり、音の出だしをコントロールする技術です。
タンギングといえば音を切るのでリードに舌をつく!というイメージの方も多いかもしれません。それも間違いではないのですが、リードの振動を止めていた舌を素早くリードから離すことに集中していただくと、雑音の少ない綺麗なタンギングを実現できると思いますので試してみてください。
クラリネットのタンギングの発音は一般的に言われがちな「Tu」よりも「Ro」や「To」と発音した方がイメージしやすくなります。
音を切ることに慣れてきたらアクセントやスタッカートなど発想記号の練習も取り入れていきましょう。
音階練習
音階練習(スケール練習)にもたくさんのバリエーションがあります。時間があれば全調やりたいところではあるのですが、全調網羅するためにも少しずつ先へ進めていくことが大切です。ずっと同じ調ばかり練習していることのないようにしてくださいね!
長調の音階(メジャースケール)
一番最初にやる、ドレミファソラシドの音階。調号が付いたらスタートの音が変わり(ex.シに♭が付いたらファソラシ♭ドレミファになる)、12(15)パターンあります。
短調の音階 (マイナースケール)
長調に比べ、もの悲しい響きの音階です。短調はそれぞれの短調に3つの異なるパターンの音階があります。この譜例は自然単音階です。
半音階(クロマチックスケール)
半音階はこの運指をすれば効率の良い指遣いができる、速く指を動かせる!という運指が決まっています。自己流にならずにしっかり正しい半音階の運指を覚えながら練習しましょう。慣れてきたら超特急な速さで吹けるようにチャレンジしてください!
運指練習・エチュード
クラリネットは全部の音域で指遣いが違いますよね。複雑で細かいパッセージを演奏するシーンもとても多いので指をコントロールしたりと基礎を固めるために運指練習は欠かせません。エチュード(練習曲)にもどんどん取り組みましょう!
運指練習
曲集を使いながら演奏していくのがお勧めです。初心者であれば断然、クローゼ・クラリネット教本に出てくる68の技巧練習から始められることをお勧めします!短いフレーズに指を独立させて動かすエッセンスがたくさん詰まっています。
他にも苦手な運指を取り出してトリルのようなイメージで反復練習するのもお勧めです。例えば、初心者であればラシラシ練習など。
エチュード
エチュードとは短い練習曲のことをいいます。練習曲というだけあってなかなか嫌な運指も多いです。笑 エチュードを機械的にならず歌うように練習し進めることで初見でも歌うように演奏することが出来る力がついてきます。
エチュードもクローゼ・クラリネット教本に載っている45の練習曲にぜひ挑戦してみてください。
プロがあみだした記録のススメ
どの基礎練習をどれくらいやれているか、偏りなく練習できているか聞かれて、詳細にぱっと答えられますか?
質問してみると、練習がワンパターンになってしまったり、曖昧だったり、なんとなく〜になってしまったりする方が結構多い印象です。毎日の練習記録を取ることで、これはやった!と目で確認して頑張った達成感を持てたり、モチベーションが上がります。
ノートや手帳に書き留めるのも良いですが、練習専用の記録シートを活用するのはいかがでしょうか?
計画的に練習するのと、何となく練習するのとでは上達に大きく差が出てきます。
練習も効率的にやっていきましょう。
ご購入はこちらから
まとめ
基礎練習は短時間であっても毎日続けることがとても重要です。焦らずに確実に基本をマスターすることがクラリネットの上達につながります。
絶対やるべき基礎練習の5つは、
1.アンブシュア・姿勢の確認
2.ロングトーン
3.タンギング
4.スケール
5.運指練習・エチュード
このブログでご紹介した2〜5(ロングトーン、タンギング、スケール、エチュード)は本当にたくさんのパターンやバリエーションがありますので全部一気にやろうと思わずに少しずつピックアップして練習していってください。
時間があればどんどん練習して欲しいですが、最短で考えると全部やっても2,30分くらいでしょうか。限られた時間で計画的に練習を進めると効率よく練習できます。
鏡を見ながら正しいフォームを確認(2分)
レジスター・キィのロングトーン(5分)
スラーでスケールを練習した後に同じスケールをタンギングで吹いたり、アーティキュレーションを付けて練習する(5〜10分)
ラシラシ練習やエチュードを練習する(10〜20分)
また、すべての練習においてリズムを正確にすることが大切です。ぜひメトロノームを使って演奏してください。
スケールは骨になり、エチュード等は血となり肉となる。
どなたかの名言です!(誰だったか…!)
まさにその通りで基礎がしっかりしていないと芯のない演奏になります。
練習を続けるとスモールステップでも一つ一つ出来ることが増えてきますので、ぜひご自身の成長や楽器の演奏を楽しんで練習してくださいね🎵