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完全保存版!バンドーレンマウスピースのモデル比較と特徴ガイド

MegumiWakabayashi

クラリネットの演奏において、マウスピースは音色や吹奏感を左右する非常に重要なパーツです。中でも、バンドーレン(Vandoren)は世界中のクラリネット奏者から高い評価を受けているブランドです。本記事では、私も愛用するバンドーレンのクラリネットマウスピースの特徴や主要モデルの比較を通じて、選び方のポイントをご紹介します。

私の使用するマウスピース

これまでに色々なメーカーのマウスピースを使ってきましたがやっぱりお気に入りなのがバンドーレン!

【重要】マウスピースについて

Megumi
Megumi

マウスピースの形はモデルによって少しずつ設計が違います。この形の違いによって音色や吹奏感に大きな違いをもたらします。次に説明する各部の名称と役割を知っておくことで購入の際の目安にもなりますので、まずはマウスピース本体について知っていきましょう!

マウスピースの素材

マウスピースにはエボナイト製、金属製(メタルマウスピースなどと呼ばれているもの)、樹脂製、木製、ガラス製とたくさんの種類がありますが、一般的に広く使われているのは「エボナイト製」。皆さんが1番に想像する、あの黒いマウスピースの素材です。

エボナイトとは、ゴムを長時間加硫して硬化させたもの。簡単にいうと、とっても硬いゴムです!

取り扱い注意

マウスピースの素材のエボナイトは触った感じもとても硬いですが、ゴムなのでとても傷がつきやすいです。マウスピースにスワブを何度も通すことで摩耗しますし、お手入れも慎重に行う必要があります。リードやリガチャーの取り付け時も傷がつきやすいので丁寧に行います。

お手入れをする際、水洗いをされる方は多いかもしれませんが、その水の温度が温かいと黄緑色に変色する性質がありますのでマウスピースクリーナーを吹きかけて優しく拭き取るのがベストです◎私の愛用クリーナーはマイメロ!可愛くてテンション上がります!

新しいエボナイトには成分の特性から金属を変色させることがあります。高温多湿もその要因の一つになるので特に夏場は要注意。キィやリガチャー変色を避けるため、一定期間(ものによりますが半年くらい※目安。個体差あり)はマウスピースはケースの中にしまわずに別で保管することをお勧めします。

Megumi
Megumi

中学時代の夏、練習を終えて片付け、次の日またケースを開けたらキィもリガチャーも火で炙ったかのように真っ黒に…!一晩でこんなことになるなんて、エボナイトの威力すごすぎ(泣)実話です。皆さんも気をつけてくださいね!!

マウスピースのパーツの名称と役割

マウスピースの名称と役割を知ることで、目的に合ったマウスピースを選ぶことができます。

  1. ティップ・レール
    マウスピースの先端でリードが当たる場所。
    音のレスポンスや吹奏感に影響を与えます。幅が薄いとレスポンスが速く、厚いと吹奏感が重くなる傾向にあります。
  2. ウインドウ
    マウスピースの窓で、リードが振動するための空間。大きいと息の抜けが良く、小さいと音色がまとまりやすい傾向にあります。
  3. サイド・レール
    ウィンドウの両側にある細い部分。リードとの密閉性を保つ役割を果たし、音の均一性や安定性に影響します。レールの厚さや形状は音質に微妙な変化をもたらします。
  4. テーブル
    リードを取り付ける平らな部分。平坦であることが必須。
  5. ビーク
    マウスピースの傾斜部分。急な角度のビークは明るくシャープな音色、緩やかなビークは柔らかく落ち着いた音色になる傾向があるといわれています。
  6. バッフル
    ウインドウの奥にある、チェンバーの入り口部分の形状で、厚みのこと。空気の流れを調整し、音色や吹奏感に影響を与えます。厚いバッフルは力強い音色、薄いバッフルはレスポンスが良い傾向があります。
  7. チェンバー
    マウスピース内部の空洞部分。音の共鳴を生み出す空間で、形状や大きさによって音色が変化します。大きなチェンバーはダークな音色、小さなチェンバーは明るい音色になる傾向があります。
  8. ティップ・オープニング⭐︎
    ティップ・レールとリードの間にできる隙間の大きさ。オープニングが広いと息を多く使う必要があるのでパワフルな響きに、狭いとコントロールしやすく軽い吹奏感になる傾向があります。
  9. フェイシング⭐︎
    マウスピースの先端からリードが接する点までの長さ。長いとダークな音色、短いとシャープな音色になる傾向があります。長さをロング(L)ミディアム・ロング(ML)ミディアム(M)ミディアム・ショート(MS)ショート(S)を表記されます。

⭐︎の二つはマウスピースの製品表記に必ず書いてあります。マウスピース選びの時は上記を参考にしてくださいね!

バンドーレンのクラリネットマウスピースの特徴

高品質な素材と製造技術

バンドーレンのマウスピースは、高品質なハードラバー(エボナイト)を使用しており、耐久性と音響特性に優れています。また、精密な製造工程によって、均一で高精度な仕上がりが保証されています。

均一な仕上がりで目視ではほとんど同じですが、吹いてみると結構個体差があります。プロは在庫があればお店中のマウスピースをかき集めて同じモデル40個くらいの中から1つを選ぶことも!買うときはなるべく吹いて選んだほうが良いです◎

多彩なモデル展開

バンドーレンは幅広いラインナップを提供しており、初心者からプロフェッショナルまで、自分のスタイルや好みに合ったモデルを見つけることができます。

主要マウスピースの比較と特徴

バンドーレンで特に人気のある(と私が思う)マウスピースの特徴をご紹介します。これら以外にも種類はありますので全部知りたい方はバンドーレン公式サイトをチェックしてください。

【5RV】初心者から上級者までの万能モデル

  • 特徴
    ティップオープニングが狭いので吹奏感が軽く、初心者にも扱いやすいモデル。
  • お勧め理由
    初心者からプロまで、幅広い層に対応できるバランスの良さが魅力。表現もつけやすい。
  • 仕様
    【ティップ・オープニング】106.5【フェイシング】ML

【B40】豊かな音色と吹奏感のバランス

  • 特徴
    広いティップオープニングとミディアムロングのフェイシングが特徴で、芯のある豊かな音色を実現。
  • お勧め理由
    表現力豊かな音色が求められる場面で力を発揮。
  • 仕様
    【ティップ・オープニング】119.5【フェイシング】ML

【B45】汎用性の高いクラシックスタンダードモデル

  • 特徴
    ティップオープニングとフェイシングはB40と同じで、ティップレールの幅が少し狭いモデル。吹奏感と音色のバランスに優れています。
  • お勧め理由
    パワーのある豊かな音色を求める方に最適です。
  • 仕様
    【ティップ・オープニング】119.5【フェイシング】ML

【M30】モダンな響きと自由な表現力

  • 特徴
    ロングフェイシングデザインにより、幅広いダイナミクスと表現力を実現。
  • お勧め理由
    柔軟でまろやかなサウンド。自由な表現を求める奏者にぴったりのモデル。
  • 仕様
    【ティップ・オープニング】115【フェイシング】L

【M15】クリアな音色とコントロール

  • 特徴
    ロングフェイシングにティップ・オープニングが狭いことで多彩な表現力を実現。
  • お勧め理由
    コントロールしやすく、アーティキュレーションがつけやすいのが魅力。
  • 仕様
    【ティップ・オープニング】103.5【フェイシング】L

【ブラックダイヤモンド】クリアで洗練された音色

  • 特徴
    独自のチャンバーデザインにより、クリアでフォーカスされた音色を実現。低音から高音まで均一で、洗練された響きを実現。
  • お勧め理由
    他のモデルにはない独特のクリアな音色と、幅広いダイナミクスレンジ、高音域の深みのある音色が魅力。
  • 仕様
    BD4【ティップ・オープニング】115.5【フェイシング】ML
    BD5【ティップ・オープニング】113【フェイシング】M
    BD7【ティップ・オープニング】133【フェイシング】L

各マウスピースとリードの組み合わせ

上記のマウスピースの特徴と仕様を踏まえてリードの種類と番号を選んでいきます。バンドーレンリードとの組み合わせは公式のサイトをご参照ください♩

モデルの違い

トラディショナル

横にマークのない、スタンダードなモデル。

ライヤー

5RVなどモデル名の横に竪琴のマークがあるモデル。

トラディショナルに比べてティップオープニングが広く、フェイシングも長いため自由度が増す。高音の吹きやすさが魅力的。

プロファイル88

横に88のマークがあるモデル。ピークの角度がトラディショナルに比べて緩やかになっており、息の入れ方、コントロールの仕方に変化が生まれる。

【13シリーズ】アメリカンピッチ向けモデル

13のマークがあるモデル。
A=440Hzのピッチに特化した設計で、アメリカのオーケストラ奏者に人気。

選び方のポイント

楽器との相性

マウスピースとクラリネット本体の相性も大切です。試奏を通じて、自分の楽器に最も適したモデルを選びましょう。楽器店へ行って購入する前に吹いて選んだ方が良いです。自分では何が良いか分からない場合はクラリネットの先生やプロ、楽器店にクラリネット専攻の方がいればその方を頼ってみると良いと思います。

決して安いものではないので、なんとなく買うのは勿体無いです💦自分に合ったものを選ぶことで上達も期待できます!

選ぶときに気を付けること

まず、自分の手持ちの中で一番良いリードで吹いて選んでいきましょう。選ぶときのポイントは

  1. 程よい抵抗感で吹奏感が良い
  2. 発音(タンギング)しやすい
  3. 好みの音色でよく鳴る
  4. 音程が取りやすい

これらを念頭に選んでいきましょう。楽器店によっては在庫が少なかったり、試奏不可の可能性もありますのでまずは電話して在庫と試奏可能かを確認することがマストです。試奏可能で在庫があれば、同じモデルを数本ずつ用意していただき、吹き比べていきましょう。

電話予約は勇気がいるかもしれませんが、マスト!私も必ずそうしています。お店側も、試奏室の用意や在庫の用意に余裕が持てますのでお互いにメリットしかありません◎

選定品のススメ

近くに楽器店や、頼れる先生がいない場合、選定品を購入することも視野に入れると良いです。プロが選ぶものなので、基準もプロ基準。適当に選ぶよりも確実に良いものに出会えます。

選定品の購入方法としては以下の2通り

  • 山野楽器などの販売サイトで選定品を購入する
  • プロや選定をやっている講師に依頼する(私も選定の依頼を承っています。)

誰の選定品を購入するかは大きいと思います。あの奏者の音色が好きだから、などの理由も良いと思います♩

ただ…

余談ですが、私も選定品のマウスピースを試奏させていただいたことがあるのですが、苦しくて音が全然出なかったことがあります…😅男性奏者の選定品だったので肺活量の関係で私には苦しかったのかな?などとぼんやり考えていましたが、マウスピースはリードと楽器の兼ね合いも大きくありますので買ったものが絶対に自分に合うか、は確実ではないと思っていた方が良いです。

選定の依頼

私が選定の依頼をお引き受けするときのことをお話しいたします。

下記のヒアリングに答えていただき、お問い合わせフォームからメールをお送りください。

  1. お名前
  2. 年齢
  3. 所属1(プロ・音大生・アマチュア)
  4. 所属2(部活動・吹奏楽団・個人趣味など)
  5. 現在の使用楽器
  6. 現在の使用リード
  7. 現在の使用マウスピース
  8. 選定依頼のマウスピースモデル(B40 ライヤーなど)
  9. 選定依頼の理由(別のモデルが欲しい、今使用してるものの音の飛びが悪いなど)
  10. その他に伝えたいこと(あれば)

上記をお送りいただいてから、私と連絡を取り合い、マウスピースの代金とは別に選定&送料として商品代+1万円お振り込みまたは電子マネーで送金いただきます。
その後、私が楽器店に連絡して予約を取ったり必要に応じて取り寄せをします。楽器店と私のスケジュールを擦り合わせる必要がありますので、お手元に届くまでにご連絡いただいてから最低でも1週間〜1ヶ月くらいの期間を考えてください。

私は選定の際に必ずメモを取るのですが、その内容も記した選定書を一緒におつけしています。

こちらは楽器選定の際の例です。マウスピースも同様の選定用紙にて記入して商品と一緒に同封します。

これはマウスピースの場合の例です。楽器選定の場合もほぼ同じ流れになりますが、楽器代等は直接店舗へ振り込みなどでお支払いいただきます。

関東近郊にお住まいで都内または横浜へお越しになれる方は選定に同行も可能ですのでご相談ください。

私がバンドーレンのマウスピースをお勧めする理由

  • 信頼性
    長年にわたり、多くのプロ奏者に支持されている実績。
  • 豊富な選択肢
    初心者からプロまで、どのレベルの奏者にも対応するモデルが揃っている。
  • 高品質
    素材や製造技術の高さが音色や吹奏感に反映される。
Megumi
Megumi

私も色々なマウスピースを試しています!以上の理由から、初心者〜中級者の方はまずバンドーレンを選択すると安心だと思います。マウスピースも本当にピンキリのお値段なので価格的にも手を出しやすいお値段だと思います。

まとめ

バンドーレンのマウスピースは、クラリネット奏者にとって信頼できる選択肢です。自分の演奏スタイルや楽器に合ったモデルを選ぶことで、より豊かな音楽表現が可能になります。試奏を通じて、自分にぴったりの一本を見つけてみてください。

**野中貿易様にバンドーレン画像の提供にご協力いただきました。ありがとうございました!

ABOUT ME
若林愛
若林愛
クラリネット奏者/クランポン契約講師
音楽大学卒業後、キングレコードよりメジャーデビュー。楽器歴26年。演奏活動の他にビュッフェ・クランポン契約講師としてマウスピースや楽器のセミナー&デモ演奏を全国各地で担当。教則本の出版、吹奏楽コンクール・アンサンブルコンテストでも審査員を務めるなど後進の指導にも力を入れています。テレビ朝日「ザワつく!金曜日」中山秀征さんの指導を担当。
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